yumipon0524’s diary

草彅剛さんが大好きです。剛くんメインのひとり言日記です。

アルトゥロ・ウイの魔力の沼

チケットを手にホールに入る。

自分の席に着席した。

近い。想像してたよりも遥かに近い。
心臓がばくばくする。
気分もさらに高まる。

出演者のみなさんがマスクをつけて
ステージに並び始めた。

マスクを外して
さあ、開演です。

MCの中田さんから
アルトゥロ・ウイの紹介があり、みんなのボルテージがいちだんと上がる。
ウイ様のお出ましに客席から声なき声の大渋滞。
熱気が館内に溢れ出す。

オーサカ=モノレールの生演奏がズシンズジンと身体中に響き渡る。ズシッとくる音の重さと迫力。圧巻だ。
そこに、シャウトするウイの声。
ステージ狭しと歌い踊り、艶かしく体をくねる。
嘲笑うかのような、
挑発するかのような
自分に酔いしれるかのような、
目まぐるしく表情が変わっていく。
そんなウイからほとばしるエネルギーを全身に浴びて
私の高揚感も絶頂に達していく。

堪えきれない興奮に我を忘れる。
ウイの煽動に、されるがまま。
まばゆいばかりの照明
真っ赤な衣装に
真っ赤な光。
かと思えば
闇が広がり、悪の光が全てを支配する。
さすが、
第28回読売演劇大賞最優秀スタッフ賞を受賞した斎藤茂男氏だけある。
情熱の赤なのか、悪魔に魂売り渡した流血の赤なのか。
銃声が響き渡る。
粛清の銃だ。
邪魔者は容赦なく始末。

あまりの恐怖に誰もが黙りこむ。
息もできない。
シーンと館内が静まり返る。
身も心も凍り付くほどの静寂さ。

もうだれもウイには逆らえない。
悪魔の叫びが
魂を腐らせていく。
彼の意のままに操られていく。

そして、私は手を挙げた。
何度も何度も手を挙げた。
忠誠を誓った。
あなたに我が心を捧げると。

だけど、私は見たの。
彼の底知れぬ冷酷な瞳の奥にある虚しさに。
どこか虚ろな目をした悪魔の良心を。



アルトゥロ・ウイ
危険な男。

あの男に近付くな。
あの男の言葉に騙されるな


私が私にそう囁く。


だけど、ウイに心を奪われてる私には私の忠告なんか聞こえない。
そのとき、
きらびやかな衣装を身につけたウイが私の隣を駆け抜けた。
その風に淀みはなかった。

私はいったい、どこまで堕ちてどこに辿り着くのか。


恐怖と絶望と隣り合わせの支配される喜びを
こころゆくまで堪能して欲しい。



とんでもない蜜の味を知ってしまった
私は、さらにパワーアップしたウイの支配からもう逃れられない。

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幕が無事におり、草彅剛として板に立ったとき、スタンディングオベーションの客席をくまなく隅々まで見渡して、誰よりも深々と頭を下げてました。
マイクを手にしてましたが、一言も言葉を発することはなく、だけども、汗がきらきら光るその表情は無事に初日をやりとげた感動と満足と、その場にいる、大勢の皆様への感謝の気持ちが溢れてました。たくさんの拍手で送られて
すべての出演者がステージを去ってもひとり下手に残り、
透けて見える幕越しに、客席を見上げていたその顔は実に感慨深げで、名残惜しそうでした。
今までの舞台では、
見たこともない草彅剛の行動です。

剛くんがいろんなメディアからのインタビューに
「本作品を人生をかけてる。自分の集大成だ」と答えてましたよね。

あー、こういうことなんだ、と私、とてつもなく感動したんですよね。


パワスプでも
舞台について話してたのでその部分だけ書き起こしておきます。



慎吾:ほかの自分の舞台と比べて。観てる方からするとすごくパワーを使いそうな踊りと歌と。
剛:もう集大成という感じですね、自分がやってきた、ほんとに。
舞台以外も含めてすべて。ほんとに。歌とか踊りとかもあるし、コンサートやってきたりとか、そういうのもないと出来ないし、いつも、僕らの仕事って集大成ではあるじゃない、そのとき、最高のものを出すぞって。ほんとにいろんな意味で重なってる。台詞もそうだし、悪役も幾つかやってきたなかでの悪い役みたいな感じもあるし、自分の持ってるものすべて出さないとその、役になれないみたいな感じで、
草彅剛の芸能史が全部つまってる。
若いときにはできなかったな、とまず思った。
お芝居とかコンサートとかやってきて、ステージの感じとか動きとか。いままでやってきたことに感謝してる。
慎吾:それは前回客席で見てて見えました
移動して横のステージに飛び乗るところとかステージ立ってきた人の上がりかた。
剛:だからね、来てほしいです、
回数も多いので
出演者のみなさんが輝いてる。みんな楽しいみたいで。



慎吾、吾郎さんと一緒に
さらに進化した草彅剛のアルトゥロ・ウイを観てあげて。

草彅剛の集大成なら
草彅剛の芸能史がいっぱい詰まったものなら
それは香取慎吾の集大成でもあり、
芸能史でもあるはずでしょ。