近づく別れの時
ついに来週恐れてたこの日が来る。
日曜の夜8時 大河ドラマ『青天を衝け』
キャスティングの良さはもちろん脚本が素晴らしい。
史実を変にねじ曲げずきっちり忠実に描かれてて、しかも、テンポもよく、パワーもあり、
登場人物一人一人をしっかりみせてくる。
親子の情に兄弟愛、夫婦の愛、武士の誇り、農民としての誇り、日の本へのそれぞれの立場での思い、軋轢、駆け引き、等々、とても興味深くて、ついつい見いってしまう。薄かった幕末への関心も一気に高まった。
いままでずっと大政奉還をした徳川最後の将軍、ただそれだけの認識でしかなかった慶喜への興味も沸いてきた。
怒濤の展開に胸踊らせながら、
早く渋沢栄一が一橋家の家臣にならないかな、と思いつつも、それは、円四郎との
お別れも近付いてきてることだということからは目を背けてきた。
史実は変えられない。
円四郎の最期は必ずくる。
そこをどう魅せてくるのか、
堤真一と草彅剛、この二人の迫真の演技をみたい気持ちと、
慶喜の悲しみ、円四郎の無念さを思うと辛くて見たくないと思ったり、と、自分でもどうしたらいいのかわからないくらいぐちゃぐちゃです。
15回 『篤太夫、薩摩潜入』
なんとなく、
それを思わせるシーンや台詞は
ちらちらあった。
博多華丸さん演じる西郷隆盛が
栄一に
「一を聞いて十を知る男だから気を付けんといかん。あまり先の事が見えすぎる人間は、往々にして非業の最後をとげてしまうのじゃ。」
と、語った時はドキッとしたし、
京の一橋邸の周りをうろついてる不振な武士の姿...その二人組を川村が追いかけていく。
でも、そんな不安を吹き飛ばしてくれたのがわが慶喜公よ。
烏帽子帽の凛々しいお姿にキュンキュンし、
鼻血を押さえてるお姿にクスッとし、
包帯ぐるぐる巻きのお姿に
思わず吹き出し
あー、可愛い、
そんなほっこり気分のままでいたかったんだけど
次週の予告が流れ
川村恵十郎がどしゃ降りの雨のなか、血まみれで倒れながら
顔を歪ませて手を必死で差し出してる。
妻やすが優しく微笑みながら、篤太夫と成一郎を
を見送ってる。
そして、円四郎のこの言葉だよ
「おめぇはおめぇのまま生き抜け、必ず。」
あー、
胸に突き刺さる。
この後にくる円四郎の最期を知ってるだけに
この言葉は辞世の句のように思ってしまう。
それから
「どうして...どうして…」と、
雨に打たれながらの、慶喜公の慟哭
手が青天を衝きながら、徐々に力尽きていく....
音楽までが物悲しい。
ついにきたよ。どうしたらいい。
あの手は、きっと円四郎....胸が張り裂けそうだ。
父斉昭公が、藤田東湖の死に直面したときの哀しみを思い出しては
慶喜と円四郎の姿が重なってどうしようもなかった。
ほんの数秒の予告動画。
一瞬流れたこの表情と、震える声。
それだけで、観る者の感情を鷲掴みしてしまう草彅剛の凄さ
圧倒的存在感。
鳥肌立つわ。ぞくぞくする。
だからなおさら、慶喜の悲しみがこれでもか、というぐらい、こちらに伝わってしんどいのよ。
なのに、何度も予告を見てしまう。
見なきゃいいのに、見ずにはいられない。
なんなのよ、私、慶喜にとりつかれてるみたい。
楽しいことを考えよう。
『青天を衝け』
視聴率も好調を維持してるし
博多華丸さんといえば
お正月のタモリ邸。
年始の挨拶に来た華丸さんを剛くんが
無邪気に、「大丸さ~ん」
と呼ぶもんだから、タモリさんまでもが茶目っ気たっぷりに
「おい、大丸」
間違いを訂正するどころか、楽しみはじめて、
大丸さんと剛くんとタモリさんと3人で楽しいお酒を飲んだんだよね。
思い出すなぁ。
華丸さんも粋なんだよね。さすが芸人。訂正するなんて無粋なことをせず、その場の雰囲気を一緒に楽しんだみたい。
そんな剛くんが
いざ、役に生きると人が変わるんだから
でも、それも自分だって。
いったいどのくらい引き出し持ってるんだよ。
ドラえもんのポケットみたいに次から次とまだ観たことない剛くんが出てくるの。
だからつよ沼に填まると危険なんだよね、
終わりがない。終わりがないのに始まりはあるんだよ。
興味が尽きないでしょ。
2021年5月30日放送
第16回 恩人暗殺
https://www.nhk.or.jp/seiten/story/16/
私ちゃんと見れるかな。
自信はないけど
でも、最後までしかと見届ける。
目に耳に心に刻み込む。