ジャズな人
渋谷:草彅さんの演技にまったく意図がかんじられない。
これをこうしてやろうというような意図がまったく見えない。
草彅:どうしても演技ってやろうとしちゃうとみてる人にも次こういうふうにやるのかなみたいな、わかってしまうとおもしろくない部分があるとおもう。だから基本的にその場でうみだすものがいいと思ってるので、そういうところをほめてくれてる気がして。それを意識してるのかもしれない。自分で極力先のことがわかってないし。無の状態というか。だからそれで監督もあまりディスカッションしないほうが僕にとっていいっていうのもそこにあると思うんですよね。
内田:ジャズっぽいですよね、草彅さんて。即興性がすごいある。だから会う前と会ったあとのイメージが全然違うというか。日本の役者さんて意図して芝居を考えるタイプのほうが、
ここはこういう気持ちだから作り込みをしよう。
たぶんそれがいっさい無いんでテストいらないです、草彅さんは。
サタデープレミアム 映画「ミッドナイトスワン」SP│文化放送│2020/10/03/土 18:00-18:45 http://radiko.jp/share/?sid=QRR&t=20201003180000
10月3日放送の文化放送サタデープレミアムは
映画『ミッドナイトスワンSP』でした。
初日舞台挨拶を終えたばかりの内田監督と主演の草彅剛さんはじめ、服部樹咲さん、真飛聖さんらとの楽しいトーク番組でした。
撮影の貴重な裏話もあり
興味深く聴かせていただきました。
その会話のなかで
監督が剛くんのことを
「ジャズっぽいですよね、草彅さんて」
と言われたのです。
私ね、どうしても
内田監督のあの呟きに対して
蟠りが消えないの。
そんなときに、ジャズっぽい 発言。
“タモリさんと同じことを感じてるんだー”
と思ったら、なんだか急についさっきまで抱えてたドロドロしたものが流れていったのよね。
タモリさんも
草彅はジャズな人
と、『ヨルタモリ』という番組で
剛くんがゲスト出演したときに
はっきりと言われたでしょ。
能町:草彅さんはジャズですか?
タモリ:ジャズだね。ジャズな人って何かって言うと、向上心がない人のこと。
能町:ないからジャズなんですね。
タモリ:誤解されちゃ困るけど、向上心がある人は、今日が明日のためにあるんだよ。向上心がない人は、今日が今日のためにあるんだよ。これがジャズの人よね。
草彅:僕、向上心ないですかね?
タモリ:向上心ないねえ。
草彅:それ逆にショックだよ。
タモリ:向上心=邪念ってことだよね。
草彅:ああ、そうですか。よく人って夢のためにがんばるっていうじゃないですか。
タモリ:夢があるようじゃ人間終わりだね。
草彅:僕もそれどうなのって思うんですよ。夢って何なの?って。思いません?それを美徳としてる感じがあるじゃないですか。「夢に向かってがんばろうぜ!」みたいな。じゃあ、夢が叶っちゃったらどうするの?って話で。
能町:今まで夢とかなかったですか?
草彅:だから、夢ってわからないんですよね。小さい時からこの仕事をしているんで、ある意味早く叶ってしまったっていうのもあると思うんですよ。でも夢のためにがんばって目標立てて、毎日それだけのために生きていくって……。
タモリ:そう。夢が達成される前の区間はまったく意味がない、つまんない世界になる。これが向上心のある人の生き方なんだよね。悲劇的な生き方。夢が達成されなかったらどうなるんだ?ってことだよね。U-zhaanさんとかタブラをやるのは、夢じゃないんだよ。やってるだけの話だよね。好きでやっててこうなってるだけの話で。
U-zhaan:いつかどうなりたいと思ってやってたことはあんまりないですね。
タモリ:うん。好きでこれ面白いなってやってる人がみんなこういう風になってるんだよ。そういう人たちが夢を持ってやってたかっていうと、そうじゃないよね。それがジャズか、ジャズじゃないかの差。
宮沢:今を濃厚に生きるかってことですか?
タモリ:そう。
と、こんな深いトークを交わしてたこと
はっきりと覚えてる。
ジャズな人は向上心がない人。
向上心とは邪念。
邪念がない、
好きでこれ面白いなと思ってやってる人
今この瞬間を精一杯生きてる人
まさに草彅剛じゃないの。
役者としてもそう。
役を作り込まない。
意図して考えない。
無の状態で
その時の気持ちに素直に
自然にわき出す感情のままにそこに居る。
つまりは今を大事にしてるってこと。
今この時を生きてるということ。
まさにジャズな人なんだね。
ジャズな人はタモリさんの最高のほめことばなの。
それが
内田監督の口から出たことに
なんとも言えぬ感動を覚えてます。
今この時期だからこそ、出来た役。
草彅剛にとっての大きな大きな転機となるであろう、映画
『ミッドナイトスワン』
世界へ羽ばたけ、草彅剛
そう願い続けた、私の切なる思いがもしかしたら叶うかも
そんな期待をもたせてくれる映画。
その作品の監督であり脚本家でもある内田監督の、
「オリジナルの脚本で5年かけて書いて、そこから草彅さんが出てくれて
一果ちゃんを発見して思いがつまった映画ってすごい大切なものなんでそれがスクリーンからあふれでてると思うので是非劇場で観ていただきたいです」
メッセージに目頭が熱くなった。
そして、剛くん
「いい映画が出来たと思ってますし、ストレートなハッピーエンドじゃないんですけど、新たな希望というか、明るい自分の人生を歩んでいこうとおもってくれる映画だと思うので、このコロナのなか、心配なこともあるんですけど、映画は劇場で観るのが一番なので、是非とも皆さん宜しくお願いします。」
『ミッドナイトスワン』
スクリーンに映し出されてるのは濃厚に生きた凪沙の人生でした。
凪沙からの包み込む愛で、希望を胸に明るい未来に向かって羽ばたく一果でした。
ジャズな人がジャズな生き方で
その人になってました。
痺れます。
私が今やるべきことは
草彅剛の間違いなく代表作になるであろう
ミッドナイトスワン
を全身全霊をかけて応援すること。
「日本にある賞、世界にある賞 全部とるべきだよ!
今年はパラサイトがアカデミー賞とったけど
来年はこれでいいんじゃないか。これにとってほしいくらい。」
美保純さんは
「女優賞だよー」
と言ってくださった。
ほんとにほんとに嬉しかったのよ。
私、いつまでも
人の言葉尻捉えて
悶々としてる場合じゃないよ。
変な片意地はってるときじゃないでしょ。
私もジャズな人になる!
『ミッドナイトスワン』大ヒット公開中です。