yumipon0524’s diary

草彅剛さんが大好きです。剛くんメインのひとり言日記です。

先行上映~ミッドナイトスワン~

https://www.oricon.co.jp/photo/5825/p/2/


なんだか息苦しくなって、ふーと大きく息を吸い込んだ。
この写真1枚1枚見てるとたまらなく切なくなる。
そして愛しい。


胸の奥から熱いものがじわじわ込み上げてくるの。


穏やかな時間が流れてる二人で暮らす部屋
心をこめた手料理の並ぶ食卓。
野菜も食べなさいと娘の健康を心配して
育ち盛りの娘には自分の分まで分け与える、母性愛。
娘とふたりだけの大事な時間。
どんどん絆がふかまっていった愛しいひととき。
ありのままの自分でいたいのに
思うようにならなくて
辛く苦しくやりきれない日々。

凪沙の生きた証の断片がこうして並べられるとそこに広がるのは
道の途中でさ迷い悩み苦しみ諦め絶望し、そこから希望の灯を見つけ、幸せを感じながら大空に羽ばたいた傷だらけの一羽の白鳥の軌跡。




ミッドナイトスワン
先行上映を劇場で観てきました。


これから公開予定の作品の予告が終わって

さあ、始まりますよ


とばかりに、照明が落とされたときの空気感がなんとも言えず好きです。

ガサガサしてた音も消え辺りに漂う張り詰めた静寂さ。
誰もが息を潜めてある種の期待とともにスクリーンを凝視してる。

紅をさす唇が大画面に広がった。
そして、低音の、なんとも言えぬ艶っぽさ。
エキゾチックな香りが漂う声だ。

Tsuyoshi kusanagi
の文字が浮かび上がる。


スクリーンに映える役者。
斎藤工さんの言葉が甦ってきた。

私の知ってる草彅剛はどこにもいない。
目の前の大きなスクリーンのなかにいるのは
凪沙その人だった。


やはり映画は映画館で観るものだね。

大きなスクリーンはそれだけで迫力がちがう。
肌つやも
刻み込まれてるシワも
吐く息も
波打つ鼓動も
喜びも悲しみも挫折も諦めもそして希望と、
微妙な心の襞の変化まで
容赦なく伝わってくる

光と影の陰影が
未来と絶望を照らしだす
涙があふれる。
微笑みに変わる。
思わず目を背ける。
耳をおおいたくなる。
私の中にも巣くってた偏見と差別をこれでもか、とつきつけられた。
怖いよ。
辛いよ。
いたたまれないよ。
救いはないのか。
それでも人は強く生きていかねばならないの。
ぎゅーと抱き締めてくれる人は必ずいるよ。
よしよし、と優しく包んでくれる人がそばに必ずいるんだよ。
笑って笑って
あなたらしくいて。

悲しくなんかない。
哀れでもない。
生きる希望とはなにか。
人を愛するとはなにか。

人はそばにいる人の力で幸せになれます。

愛の形は様々あるけれど
それらはどれも素晴らしい。

観終わって残るのは希望、漲る生きる力。
頬に涙のあとを残しながら
自然とこぼれる微笑み。

凪沙の懸命に生きた人生は
それはそれは美しい。


渋谷さんの奏でるピアノの旋律


優しく柔らかく繊細に
それが
強く激しく叩きつける

この音楽を聴きながら
小説を読んでると
スクリーンの凪沙が
一果が早織が
りんが瑞希が実花が脳裏に鮮明によみがえる。
辿る一文字一文字に凪沙が浮かび上がってくる。

それでもわからないことがある。
なぜ凪沙はあえてその道を選んだのか。
そこまで彼女をかりたてたのは
一果のあのときの目だろうか。

母親になりたくて本物の女になった。
でも、一果の母親にはなれそうにない
そう思って生きる力を失ったのか。
生きてく必要性を見失ったのか。
だとしたら...



一果の踊る白鳥の湖。凪沙とともに歩いてく未来。
もうオデットは朝が来ても白鳥には戻らない。


残酷なまでに美しい物語でした。



凪沙の人生はこれからは一果とともにあるのです。


深い余韻が残り続けます。

ひとりでも多くの方に観ていただきたい。

単なる娯楽映画にはなっていません。

さまざまな問題を投げ掛けて
生きていくとは、
人を愛するとは、
どういうことなのか。

考えさせられます。
そして、忘れかけてた大事なことに気付くはずです。



ミッドナイトスワン9月25日公開です。

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