yumipon0524’s diary

草彅剛さんが大好きです。剛くんメインのひとり言日記です。

小説の世界と映画の世界と~ミッドナイトスワン

正直
なぜそうなるのかよくわからなかった凪沙の心の内も小説を読んで
凪沙が背負ってきた背景が鮮明に浮きぼりにされ、
なおさら、胸がしめつけられた。

あのときの凪沙の涙のわけも
どこか寂しげな瞳も
突き放した態度も
どうでもいいわ、という冷めた感情も
自身への嫌悪感も
子供が嫌いといいながらも
優しく見つめるその瞳の奥に秘められてたものがなんなのかも
本を読んではっきりした。

そして、さらに凪沙が愛しい存在になっていく。


本には文字の神様がいる。
その神様が読み手にインスピレーションを与えてくださる。
文字の神様が見せてくださる景色は
まさに私にしか見えない凪沙の世界。
私が文字から想像した二羽の白鳥。

それはそれで楽しいけど

文字は冷たい。
そこから広がる世界はモノトーンで、どこか虚しい。


映画はいいよね。
いろんな色に変化していく様がはっきりと見える。
光と影ができて
監督の思い
演者の思いが幾重にも重なって
それに応じた音楽が加わる。

役者の顔色ひとつで
身振り手振りだけで
目の動き、口の動き、
それらの些細な変化で
微妙な心の内が想像できる。
声のトーンが変わるだけで全然違ってくるんだよ。

私が想像してた世界を遥かに越えてくる。




だけど、映画は
どうしても時間に限りがある。
役者の演技で心の動きや変化を伝えることで
その具体的な背景は省略されがちだ。
だからわかりずらい部分も確かにある。
そこは観る側の想像力で補っていくしかない。
それはそれで
人により見方が変わって
いろんな味が出て面白い。


本は
その部分が事細かに書かれていて
景色が一瞬にして浮かび上がる。



あの子はどうなったんだろう。
あの人はどんな人生を過ごしたのだろうか。


映画では描かれなかったシーンも
小説にはしっかり書かれてた。


映画を観て原作を読むのもよし、
原作を読んで映画を観るのもよし。


私は映画を観て
この作品に関わった人たちの思いをしっかりと受け取り
本を読んでスクリーンでみた景色をさらに色付けし
また映画を観て、その世界観にどっぷりと浸りたい。



映画っていいよね。
小説っていいよね。

どちらの神様も素敵な贈り物をくださいます。



凪沙の人生は思い通りにはいかない人生だったけど。
なぜ、自分だけこんなつらい思いをしなきゃならないんだろう、神を恨んだこともあっただろう。
でもね、
とっても大事なものをその手で掴むことが出来たんだよ。
神様は凪沙に何物にも代えがたい宝物を授けてくださった。


だから、
悲劇の物語じゃないの。
こんな愛もあるんだよね。
自己犠牲と聞くとそれはあまりにかなしすぎると思ってしまうけど
無償の愛は儚く美しく気高い。

絶望のなかで見つけたひとつの灯り。

その灯をともし続けるために凪沙は生きた。

母と娘の極上のラブストーリーです。


はやく
大きなスクリーンで観たい。
劇場の独特の空間に身を置いて
素晴らしい音響のなかで
涌き出てくる感情を思う存分浴びたい。

 
さあ、今夜だ。
TOHOシネマズ64館で
一足お先に見せます上映があります。
完売の劇場もありますが
まだまだ絶賛発売中です。