今週の微笑み
草彅剛に言葉はいらない。
あえて、説明するほうが野暮というものです。
10月3日放送の大河ドラマ「青天を衝け」
前島密らの尽力で日本に郵便制度がようやく整い、渋沢栄一が最初に書いた手紙が慶喜に宛てたものでした。
(まるで恋文が届いたかのように嬉しそう。この表情見てたら
心の内が手にとるようにわかりますよね。)
「先様、某は、新政府にて改正掛という掛を新設しました。この郵便をはじめ、日本を新しく生まれ変わらせるために粉骨砕身してまいります」
と書かれた手紙を読んで、慶喜は、視線をあげてそっと微笑む。
読み終わって遠くを見つめてるこの表情。
穏やかで優しいね。
無性に
この瞳の奥に映る景色を覗き見したい衝動にかられる。
でも、どこか寂しそう。
だけど、それ以上に
とてつもない満足感があると思う。
これでよかったんだ。って。
自分の決断に間違いはなかったんだ。って。
時間にしてわずか数十秒
それだけのシーンなのに
その存在感は圧倒的。
一瞬にして観る者の心を奪って
感動の渦に巻き込んでいく。
そして
余韻がいつまでも残る。
「わたしのことは忘れよ。
これが最後の命だ。渋沢、この先は日本のために尽くせ」
"この世を変えたい、新しい日本を作りたい。"
幼い頃から抱き続けたその思いを 慶喜のこの言葉に背中を押されて
渋沢篤太夫は渋沢栄一として、近代資本主義社会への扉を開くことになるんだものね。
慶喜のこの顔に浮かぶ表情から、喜びと希望と満足感に、こみあげてくる寂しさも感じ取れる。
観る者一人一人の心にこうして無言で語りかけてくるんだから、抵抗できないじゃない。どんどん引きずり込まれるばかり。ズルいよ、ほんとに。
そして、
慶喜が受け入れた絶対的恭順が優秀な人材を守り
結果、新しい日本の誕生への礎になっていく。実に感慨深いのです。