yumipon0524’s diary

草彅剛さんが大好きです。剛くんメインのひとり言日記です。

心の灯里。希望の灯。~ペペロンチーノ

違和感微かだけど確かに感じてたの。だけど深くは考えなかったあの場面この場面。だってそこにいるのがとても自然だったから。

すべてがわかった瞬間
あー、そういうことなのね。あの透き通るような透明感に周りを邪魔しない物静かな佇まい、なにもかもが胸にストンと落ちて、涙が込み上げてきてしかたないのよ。

朝の優しい光がカーテンの隙間から射し込んで
目覚めたふたりがお布団のなかでじゃれ合う姿も

カーテンを閉ざした部屋で酒浸りの日々を送る潔を一人ブランコに揺られながら心配そうに自宅の方を見つめる姿も

美味しそうにペペロンチーノを頬張る蒼を嬉しそうにみつめてる潔の頭をそっと撫でる手も

潔の作る料理を美味しそうに食べる姿も

海辺を手を繋いで歩く姿も

自分をここにつれてきてくれた人たちに、その経緯を語り始めた潔の側で寄り添うようにたたずんでる姿も

いつだって、潔の言葉に優しく頷き、共に泣き、笑い、そして愛しそうに見つめ、痛みを分かち合う
そんな姿が

実は、潔にしか見えない幻だってこと。


最後の最後に
灯里はこの世の人じゃない

という事実がわかったとたんに

脚本を書かれた一色氏の

これはある種の童話。リアリティーはあるけれど、どこかにファンタジーなところもある。


の言葉の持つ意味に
胸がしめつけられた。




向かい合って肩を抱いて
潔が流す涙も灯里が流す涙も
ただただ、ふたりのお互いを思いやる気持ちが溢れてて、
私も目頭が熱くなってきてね、
だけどそんなふたりを
可哀想だとはこれっぽっちも思わない。


悲しい現実だけど
ここまで思いあえる人がいる二人は今幸せなんだよね。


「誰か側にいる人の力で人は元気になれる」


剛くんが、
橋田賞を受賞したとき、
嗚咽しながら語った

この言葉をいつも思い出す。

思い思われ 支え支えあい
人は一人では生きてはいけないよ。



剛くんが
ぜひ見て欲しいと言ってた
國村隼さんとの
渾身のシーンもね、
自身の体験と弱さを淡々と話ながら、
何度も潔をビンタしながら、
諭していく姿に、とてつもない力があるのよ。
囁くように静かな声にある強さ、厳しさ、そして、優しさがね、
荒んだ潔の心を突き動かすの。

「なさけねぇなぁ。」

と呟き
患者の家族の方からいただいたお酒を流しにながしていく。

それを呻きながら
唾を飲み込みながら
見てるしかない潔の哀れな姿。

でも、ここから彼は力強く立ち上がるの。
再生するの。


そしてお店を海のすぐそばで再開させた。
"震災の苦難をのりこえ"
そんな謳い文句で
テレビ局や雑誌の取材が殺到するなか
普通のレストランとして誉めてくれた編集者がいた。
そのことで

「俺は料理人だ。被災者じゃない」


と涙を流しながら感謝したその姿に
潔の
"憐れみはいらない。"
料理人としてのプライドを感じて誇らしくなる。
この人は強くなった。

役者草彅剛
彼の演技について今さらあれこれ語る必要はないでしょ。
役を演じてるんじゃない、
その人として生きる。
小野寺潔という一人の男の人生を
淡々と紡いでいた。
大切な人を失い、自分をも見失い、現実から逃げ、酒に溺れ、死ぬのさえも面倒になってたときに、一人の医者と出会い、その人の言葉に小さな希望を見いだし、見事に再起し、愛する人への思いを抱いて明日を生きる。
そんな一人の男の感情の蠢きが、
後ろ姿で、声の震えで、静かな語りで、そして、なんといっても、その目で、語るの。
そして、その目に私は吸い寄せられていく。

草彅剛の目の奥を覗き込んだことありますか?
淡く光るの。哀しく光るの。情けなく光るの。嬉しそうに光るの。愛しそうに光るの。腹立たしく光るの。
どれもとっても優しくて強くて透明な光。

その光が言葉になり
観る人の心の琴線を震わせていく。


流れる音楽が心地よく身体中に染み渡ります。

満天の夜空
明るい笑い声が響き渡る。
潔が住む里に灯を灯し続ける一人の愛する人

心温まる物語でした。

喪失と再生の感動の物語。

「この10年
大変だったでしょ、よく頑張りましたね」

などと軽々しく言えない。
ひとりひとりの10年がそこにはある。
そこに土足で踏みこんでわかったふりして満足する、そんな一人に私はなってない?

自問自答して
恥ずかしくなりました。


心地よい余韻が今も続いてます。

私にひとつの希望の灯りをともしてくれました。

明けない夜はない。朝は必ずやってきます。


ラストで見せた海を見つめるこの後ろ姿。

彼が見てるのは過去、そして見えてきたのは未来。
この10年の重みとこれからの希望を背中で静かに語るのです。
そして、
隣には潔だけに見える灯里さんがそっと寄り添ってます。

   いつも私はあなたのそばにいるよ。


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