キネマ旬報に待望の表紙&巻頭特集
来たよ来たよ、キネマ旬報表紙に巻頭特集。
『中学生円山』で
クドカンさんとふたりで表紙を飾って以来久しぶりの表紙に巻頭特集。
待ってたんだ、この日をずっと。
映画やるなら
キネマ旬報で表紙を飾り
特集を組んで貰いたいじゃない。
とはいえ、この雑誌には
悔しい思いをさせられたことが一度だけある。その一度しかない記憶がいまだに根強く残ってて忘れさせてくれないのよ。
映画『任侠ヘルパー』
公開当時、この作品の評価が高くて
私はその年のキネマ旬報ベストテンの結果をかなり期待してた。
映画評論家や新聞記者、映画雑誌編集者などから選抜された選考委員の投票で決定するのだけど、
委員全員の氏名は勿論、投票内容まで公表されるから透明性が高く日本アカデミー賞よりも公平で権威があるとされてるの。
だから、単なる人気投票には絶対にならない。
忖度も存在しない。
興行的に大ヒットした作品が必ずしも選出されるとも限らない。
あくまでも作品そのもの、
演技そのものの評価。
そう信じてた。
だからこそ、興行的には厳しい戦いを強いられたけど、
『任侠ヘルパー』そして、その主演の草彅剛は選ばれるはずだと確信してたんだけど、、
蓋を開けてみると、ベスト10どころか、
圏外も圏外の78位....
そのうえ、読者が選ぶベストテンからももれた。
ランク外だよ、ランク外。
自分達の力不足が悔しくて
剛くんにも申し訳なくて
自らを剛ファンと名乗るのさえ情けなく恥ずかしかった。
"任侠ヘルパーを見ると
自らを俳優でないという草彅さんが稀有な俳優であることを納得していただけるはず"
と、
編集後記に書いてあった編集の天本さんのこの言葉はなんだったの?
何度もそう問いかけたよ。
このとき、任侠ヘルパー&草彅剛 に入った票はわずか2票。
映画評論家の内海陽子さんがベスト10の5位に『任侠ヘルパー』をえらんでくださった。
5位 任侠ヘルパー
草彅剛主演の任侠エンターテインメント。介護施設のお年寄りに「あんた、市川雷蔵に似ているね」「長谷川一夫に似ているね」と言われてすりよられた際の草彅のはにかんだ表情もいい。全編に彼の清潔感がよく生かされている。
https://top-moviejp.com/?p=2903
任侠エンターテインメントと呼ぶべき映画の中で、老人介護施設の実態が細部まで描きこまれた作品はあまりない。介護施設訪問を売りにする一団の行動を皮肉るシーンなど、かなり辛辣だ。熱海にオープンセットを建てて施設の撮影に臨んだそうで、その効果はありあり。草彅剛の引き締まった顔とあいまって、この映画に懸ける西谷弘監督とスタッフ、キャストの熱意がひしひしと伝わる。
恋の三角関係のゆくえ、暴力団と二世議員の対決、身体を張った彦一の男気と、見せ場が連続し、最後に施設再建の希望がしっかり残る。たとえ予定調和といわれようと、りりぃが温かな表情で施設に戻ってくるところは他人事でなくありがたい思いがする。人々が帰って来たいと願う場所などそうそうあるはずがなく、そういう場所を作り出したという一点において彦一の存在は輝く。おまけのような大立ち回りを見せて去っていく彦一が、次にどこへ行き、何をするのかぜひとも見続けたい。任侠道、まさにここにあり。
(内海陽子)
そして、フリーライターであり、編集者でもある、佐野亨さんが主演男優賞草彅剛に1票。
「真摯に作られた力作。『僕の生きる道』とともに草彅剛の代表作」
との佐野氏の呟きに、
わかってくださってる方もいることが嬉しくてうれしくて
泣いたよね。
彦一会いたいよ。
今どこで何をしてるの?
会いたいよ、会いたいのよ。
こんな世の中だからこそ、あなたの任侠道がみたい。
ランキングの発表が2013年の2月の話だから
あれから7年と半年も経つというのに、
このとき受けた心の傷は
どうやら完治してなかったみたい。
またズキズキ痛み始めてます。
いまだに引き摺ってた事実を今更ながら突きつけられて
自分でも、あなたしつこいよ、と苦笑いだけど
あのときはほんとに悔しくて情けなくて
どこに感情をぶつけたらいいのか、わからなかったのよ。
でもね、それでも
キネマ旬報は、
1919年7月創刊して100周年という歴史を背負って、雑誌不況と言われ続けてる今もなおたくさんの読者を持つ雑誌です。
あの、新藤兼人監督が
『愛妻物語』でキネマ旬報ベストテン第10位になったとき、
僕らは昔キネマ旬報のことをエベレストだと言ってました。聳え立ってた。
10位に選ばれて
やっと入り口に立てた
と語っていたらしいの。
それだけ
映画関係者にとってはとてつもなく高い頂だったんだね。
今は昔ほどの権威はなくなってるかもしれないけど
この雑誌で
表紙を飾り、特集を組んでもらえることはやはり嬉しいし、
受賞したら自信に繋がっていくはず。
だから、
9月4日発売
キネマ旬報9月下旬号
表紙 草彅剛
巻頭特集 ミッドナイトスワン
この情報が出たとき
思わず
やったぁ、
と叫んじゃった。
🙌🙌🙌
だってね、表紙だよ、巻頭特集だよ、
この作品への期待値が高いのがわかるじゃない。
やっとやっとここまで来た。と、しみじみ。
予約も開始されてそうそう
ベストセラー1位になりました。
久しぶりの表紙だもん。
巻頭特集だもん。
そりゃあ、剛ファン頑張るよね✨
そして、映画ライターほりきみきさんのツイート
『ミッドナイトスワン』試写。体の性と心の性。そのギャップに苦しみ、悲しみを絞り出すように嗚咽する。トレンチコートは柔な同情から身を守る鎧。その色が変わったとき、主人公の決意を感じた。草なぎ剛の代表作になることは間違いない。擬似親子のような関係を演じ切った服部樹咲は今後が楽しみ。
— ほりきみき (@tyokokyariko) 2020年8月11日
草彅剛の代表作になることは間違いない
と力強く言い切ってくださってる。
ほんとにほんとに楽しみなの。
でも、公開までまだ1ヶ月以上あるのよね。
待てるかなぁ。
待てないだろうな🤣
この予告もう何回繰り返してみたかわからなくなったけど
何度見ても
胸が締め付けられて言葉が出てこない。