yumipon0524’s diary

草彅剛さんが大好きです。剛くんメインのひとり言日記です。

ここにしかない光 - まく子

3月15日
ついに、まく子公開初日をむかえました。

私は完成披露上映会でひとあしさきに映画を鑑賞してます。
その後いろんな記事も出ました。
トークイベントもありました

www.nikkatsu.com


report.cinematopics.com


そこで裏話をたっぷりと聞くことができました。

●キャスティングについて
鶴岡監督「子役の多い作品なので、だからこそ1本、柱が立つ役者が欲しかった。難航する中、草彅さんの名前が上がったが丁度草彅さんが新たな活動をするタイミング(2016年)だったので難しいと思いつつ当たって砕けろの精神でオファーした。
草彅さんは、未知数だけど行ってみたいと承諾してくれて企画がおおきくすすんだ。草彅さんのおかげ。」

羽賀さんも近衛さんも「おにぎりのシーン大好きです。」「私もです!!」
メシが美味そうってリアリティを担保。
「草彅さんって少年と大人を行き来できる日本でも珍しい役者。時としてサトシの方が大人に見える時がある。そのくらいの感じがよかった。」
●草彅さんはどんな方でしたか?
羽賀さん「ダメ親父といい父の部分の混じり合い具合、バランスが絶妙。」
近衛さん「同感です!今までの草彅さんの演技の中でもピカ一。色っぽさ、力の抜け具合が絶妙。」
鶴岡監督「不思議な人。カメラの前ですごい存在感。衣装合わせた瞬間もう光一になってる。役に説得力を持たせる人」
●サトシと父の大事なシーンについて
鶴岡監督「このシーンが肝。ラストに(草彅さんが)ラスボスとして登場する感じ。このシーンが撮影最後だったので、思い入れ多く皆んな力が入ったシーン。このシーンの演出については草彅さんの方から積極的に「こうします」と意見があり、行ける!と確信した」



それでも、今日観終わって劇場から出て見上げたすみきった青空を私は忘れないと思う。
このまままっすぐ帰宅するのが勿体なくて
無性に歩きたくなった。
私のなかに沸き上がってくる、この懐かしさと清々しさと愛しさと明日への希望に足取り軽く心も軽く、この世に生きとし生けるものすべてに、ありがとーーーて言いたくなった。
多感な少女の頃の自分を思い出し
あの当時、女子だけ保健室に集められたときの男子の好奇心溢れる視線が嫌だったこと、
生理のとき、鞄からナプキンをとりだして、お手洗いにむかいながら誰かに見られてないかとコソコソしてた自分も嫌だったし、
赤ちゃんの誕生も事実を知って嫌悪した。
汚いと思った。
大人になんかなりたくないって思った。

でも、その当時の自分も、そして、あれだけ嫌がってた大人になり、汚いと嫌悪した行為も経験して子供を身籠り、産み育て、それなりに社会に揉まれて純粋さも失われてる今の自分も、私は私なんだから、ありのままの私も悪くはないと、今、素直に感じられてる。


コズエが撒いたキラキラしたものがスクリーンいっぱいに降り注いで私のなかにもヒラヒラと舞い降りてきて、
たぶんね、
そのキラキラがね、どんな貴女も貴女は貴女、て、囁いてくれてるんだと思うの。
生きる元気を与えてくれてるんだと思うの。

そして、エンディングで流れてくる 高橋優さん作詞作曲の、
若気の至り
これがほんとに心に沁みる。

youtu.be

歌声が心地よくて、その歌詞に、サトシとコズエとあの頃の自分が重なる。
そこにある、甘酸っぱさと甘さと苦さ、
背伸びもしたいし、でも、恐怖もあるし、でも、その扉開いてみたいし
そんな気持ち。

あなたはおとな?それとも子供?

まく子の世界観と高橋優さんの奏でる音と紡ぐ言葉がぴったりはまって、
撒かれたものすべてをそっと包み込んでくれ、じわ~と熱いものがこみあがってくる。
忘れていたかけがえのないものを取り戻す事の大切さをおしえてくれる。

余韻が残るってきっとこういうことなんだね。


CGをふんだんにつかってるわけでもない
手に汗握るアクションがあるわけでも、涙がとまらないほどの感動的な話かといえば、そんなこともない。あっと驚くどんでん返しがまってるわけでもない。
舞台は山あいの温泉街。
そこに住んでる、思春期にさしかかったひとりの男の子の心のひだと彼の周りで起こる出来事を丁寧に掬ってる、ほんとに優しい作品です。
そこに住む住人たちにも、それぞれの人生があって、
一生懸命生きてて、なんかいいんだなぁ。

原作は直木賞作家西加奈子さんの「まく子」

まく子 (福音館文庫)

まく子 (福音館文庫)

まく子 (福音館の単行本)

まく子 (福音館の単行本)

原作の世界観をこわさず、そこに、鶴岡監督ならではの感性が加わって、よりまく子の世界がひろがったように感じた。


そして、
なにより、圧倒的存在感の草彅剛さん。
ふわ~と表れたと思ったら、そこに確かに爪痕のこして、またふわ~と去ってく。
自然に匂いたつ男の色気に魂もっていかれ、
無頓着な邪気のなさに心惹かれてしまう。
人たらしもいいとこ。
伊集院光さんがラジオで言った
「あの人天才だからね~」
その言葉が何度も脳内再生されては、私の頬の筋肉が緩みっぱなし。



振り返るためじゃなくて
明日のためでもなくて
今ここにしかない光

そんな光がふんだんに撒かれて
その光をあびて、たくさん悩んで忘れて、そしてまた悩んで、そんなことを繰り返しながら一つ一つ階段昇っていけばいいんじゃないかな。

今を生きてればそれが明日に繋がっていくよ。