yumipon0524’s diary

草彅剛さんが大好きです。剛くんメインのひとり言日記です。

道‐私の千秋楽

f:id:yumipon0524:20181222080920j:plain舞台って観る席によって見方がこんなに変わるものなのね

音楽劇『道』
12月21日私の千秋楽でした。

この舞台から私はどうも嫌われてるようで入場までの道のりが遠すぎた。

友達から手をさしのべてもらい、ようやく道への門が開かれた、そんな舞台となりました

初日観劇 中2階
16日ソワレ2階A席
そして21日1階B列

今日は下から見上げる感じです。
オペラグラスなんか全く必要ない。
顔から滴り落ちる汗、口からも容赦なく違う汗が迸る。
スポットライトを浴びた筋肉が、私にどうだ といわんばかりに隆起する。


自分の人生を真っ向から凝視することを避けてるのか
前をみてるようでも、その目はどこか伏し目がちだ。
冷たく寂しげな光が強烈に放たれてる。
人を寄せ付けようとしない孤独感が纏わりつく。

そんなザンパノは己の頑丈な肉体が唯一の矜持なのか、
鋼鉄の鎖を胸の筋肉で引きちぎり強靱さを見せつける。
だが、強がれば強がるほどその内に秘めた弱さが見えてきて、愚かさが浮き彫りにされてくるんだよ。

それが今日はよくわかった。
オペラグラス越しでは伝わらなかった内なる声が肉眼を通すことで見えた。
肌が感じた。
急に寒気が襲ってきた。
なんなんだ、この感じは。


最大の見せ場のクライマックス

イルマットを手にかけ、ジェルソミーナを置き去りにしたザンパノが浜辺に現れた。

老いたな

と、私、思わず呟いてた。

白髪なわけでもない、
顔に皺が刻み込まれてもない

ただ、自慢であった肉体を衣服で包み、背中を丸め、弱々しく歩いてるだけ。
その姿には、胸をはり空威張りしてたあの威勢のよさは欠片もない。

さすがだよ、剛くん


ジェルソミーナの最期をきいた彼の耳みからあの歌声が離れない。
彼は絞り出すように呻く。
その声はナイフなのか。
自分で自分を突き刺してるザンパノが見えたの。
瞬く間に血であたりが赤く染まってる。
痛みは感じない。
彼を突き刺すのは後悔と懺悔とそして愛。

そんなザンパノの上で綱渡りをしてるジェルソミーナ。



あの無垢で純粋な天使は、二人の、愛に飢えた、人一倍さみしがり屋で強がりで一人ぼっちの男たちをこうして守っていくのね。


考えさせられるラストシーン。
こうして余白をのこして暗闇になった。


再び劇場が明るくなると

そこにはザンパノはもういない。

私の大好きな、剛くんが舞台にたって、観客の大きな拍手に満面の笑みを浮かべてる。
整列してお辞儀をしてと、座長としての指揮をとり、
ほんわか、穏やかで温かな空気が流れていく。
微笑ましくて、重苦しいあの切なさが一瞬にして打ち消されていく。


この見事な切り替えがさらに作品の重みを増してるのだと思うのよね。

ザンパノから草なぎ剛
瞬時にして戻れるのはやはり本物の役者。
仕事人草なぎ剛を堪能した舞台になりました。

いつの日か、今度はイル・マットを草なぎ剛で観たいとの思いが強まってます。

海宝直人さんの演技が素晴らしかった。

この世にあるものは何かの役に立つ

説得力のある台詞回し。
すとんと私の心に染み渡ってきた。

そして、ザンパノと同じく
愛を求めてるのに、
温もりが欲しいのに
素直になれず
相手を嘲笑することで弱さを隠す哀しい男

自虐的笑みを浮かべてる草なぎ剛を観たくなった。


海宝さんの演技が素晴らしかっただけにこの男を剛くんの感性はどう受け止め放出するんだろう、と思うだけで胸がいっぱいになってくる。
ほら、綱渡りしてる草なぎ剛を思い描いて。
それだけでワクワクしてくるでしょ。
私の想像をはるかにこえてくるにちがいない。
どんなイルマットに会えるんだろう。

そんな余韻に浸りながら
私の『道』の扉は閉まりました。

ありがとう、一期一会の出会い。

そして、また、
映画『道』が観たくなった

道 - La Strada -