yumipon0524’s diary

草彅剛さんが大好きです。剛くんメインのひとり言日記です。

トラムでの、バリーターク

久しぶりの三軒茶屋駅。そしてそこから劇場にむかう。その道順を不思議なもので体が覚えてた。自然と足がパブリックシアターのほうにすすむ。
ここにはいい思い出しかない。

K2観たくて何度も通った。
当日券のものすごい行列に驚いた。
大熊さんにはじめて遭遇したのもここだった。
観劇終わって出てきたところを周りのみなさんから気付かれて、大熊さん大熊さんと、もみくちゃにされてた。なのに、嫌な顔ひとつせず、あの見慣れた、穏やかでちょっとはにかんだ熊の助スマイルでエスカレーターを降りていかれた。
西谷監督が側近さんとお話されてるのを目撃したのもここ。監督、2回目の観劇終わりだったんだよね。無理をいって席を用意してくれたお礼をされてたところを、私は偶然にも通りかかったと後から知る。
ピン子さんもおなじ並びで観劇されてた。
堤さんのファンの想いの強さを知ったのもここだった。
ほんとに楽しい思い出しかない。
そして、その隣にある、シアタートラム。
一期一会だった、賢一郎と、義太郎さん。

今でも覚えてる台詞がある。
弟役の勝地涼さんが義太郎に「もし神様がついてるとしたら、それは巫女さんじゃなくて兄さんにや」
ほんとにそう見えた屋根の上の天使、それは草彅剛さんの魂そのもの。

そんなトラムで「バリーターク」を観た。

あたりまえだけど、賢一郎も義太郎もどこにもいない。
目の前にいるのは、バリータークに住む名前も年齢もよくわからない男1と男2

私は幸運にも神奈川で観劇してる。
パンフレットも読んだ。
だから、バリータークがどこなのか、なんとなく掴んではいた。
そこを知っての今日の観劇だ。
男1男2からこぼれ落ちてくる言葉が今回はスッと入り込んでくる。だからなおさら、今のこの彼らの生活がこわい。やるせない狂気に満ちて見えてしまう。知らないことが幸せなことを男2は知り尽くしてるからこそ、男1をヘルメットで守ってきた。それで頭を覆うことで思い出そうとするものを押し込めてきた。そんな男の気持ちが哀しすぎる。なにも知らず、架空でしかないバリータークの住人の話をする男たちが憐れにもみえてくる。あまりにもむごい。
男3の登場ですべてを知ることになる男1。
どこに気持ちをぶつけたらいいのか、このぐじゃぐじゃな感情をどうしたらいいのか、内部から壊れていく自分をどうにも救えない、呻き声が、言葉になって1の口から迸る。その言葉はナイフとなって己を突き刺す。と同時に私の心も突き刺す。痛いよ。あまりの痛みに涙もでない。もう元には戻れない。外に歩いていくしかないのよ。それが男1の幸せなんだ。
男2から、行けよと言われたとき、1は笑ったように見えた。自由のない、閉じ込められた世界で息をしていくだけの人生よりも、ほんのわずかな時間でも違う景色を見、新鮮な空気を吸い、自由を味わえる道しか彼には残されてなかったんだよ。
それがわかったから、2は、1の背中を押した。
一人になったバリータークに、思いがけない訪問者が訪れる。少女だ。

男2は、小さな女の子と、また別のバリータークの世界をつくっていくのだろう。そうして、バリータークは永遠に続いていく。
人は誰しも生き、やがて、死をむかえる。
どう生きどう死ぬか、その向き合い方を考えると・・・私もヘルメット被りたくなりました。

お芝居が終わり、カーテンコールのときの草彅剛さんは、いつものあの優しい笑顔で私たちを見渡してくれます。
男1はどこにもいない。
緊迫した空間が一瞬にして温かい空気に包まれます。
客席から割れんばかりの拍手のなか、輝く笑顔で共演者を讃える座長が逞しい。

剛くんまた更なる進化を遂げたね。館内は冷房がききすぎて、上着がないと寒いくらいなのに背中、胸元、そしてお尻のあたりもビッショリ汗かいてた。途方もない熱量で1時間40分を走り抜けてる草彅剛のやるせないほどの狂気に私は喉はカラカラになった。息するのも忘れるくらいのめり込んでたよ。恐ろしいほど痺れた。

スゴいヤツだよ、草彅剛。
どこまで進化するんだ、草彅剛。
これ以上私を惑わさないでよ、草彅剛

でも、まだまだ未知の引き出し隠し持ってるでしょ

それがいつ開くのか、ドキドキしながら待つのが苦しくもあり、楽しくもあり。

私もいろいろと鍛えられて強くなりました。
攻める草彅剛についていきますよ、どこまでも。