yumipon0524’s diary

草彅剛さんが大好きです。剛くんメインのひとり言日記です。

まく子

f:id:yumipon0524:20190223084534j:plain当選倍率50倍の激戦を勝ち抜いて、完成披露上映会でひとあしさきにまく子を観ることが出来た。

今まで感じたことのない不思議な感覚の映画です。
大人になるにつれ置き去りにするしかなかった懐かしいものを掘り起こしてくれました。
そんな爽やかな感動と高橋優さんの音楽が溶け合って心が自然と浄化されていきます。
そして、なにより、父と息子の関係性が素晴らしい。



まく子

ひなびた温泉街の旅館の息子・サトシは、小学5年生。自分の体の変化に悩み、女好きの父親に反感を抱いていた。ある日、美しい少女コズエが転入してくる。言動がどこか不思議なコズエに最初は困惑していたサトシだったが、次第に彼女に魅せられていく。そして、「ある星から来たの。」と信じがたい秘密を打ち明けるコズエが、やがて町の人々みんなにまいたものとは…。かけがえのない思春期を生きるサトシの葛藤とコズエとのせつない初恋を軸に、家族を愛しつつも浮気をしてしまう父親、それを知りながら明るくふるまう母親、道ならぬ恋をする若い女性、訳あり親子……小さな町のどこか不器用な人々を映し出す。
かつて子どもだった大人たちへ、信じることや変化を恐れないこと、許すことの強さを教えてくれる、再生と感動の映画が誕生。




"お母さん、なんか変なの。私の体だんだんおかしくなってるの。病気なの?
これが大人になるってことなら。。私こんなのいやだ。今のままでよかったのに。

ある時転校生が来た。 
私の周りにはいないすごく都会の匂いのする男の子にドキドキした。その子の前ではじゃじゃ馬娘もおとなしくなった。いつもの自分は影を潜めてものわかりよい子になった。そんな自分に戸惑った。

これが大人になるってことなのかな。
ならば、大人になんかなりたくない。
男とか女とかそんなのどうでもいい。いつまでもふざけあっていたい。自然のままでいたいのに。こんな苦しい思いはごめんだ。"


そんな思春期の頃の自分を思い出した。
懐かしさとほろ苦さとみずみずしさが甦って、思わずあたりを見まわしてしまう。
自分の心のうちを見透かされてたら恥ずかしい。と、頬が赤らんでくる。



サトシを演じる山﨑光くんが演じた男の子は、繊細な感情がほんとに自然でたどたどしくもあり、じれったくもあり、無理がないから、私の中で過去となってた感情が目を覚ましたのかもしれない。
忘れてた、あの頃の淡い気持ち。
あの時は二度と戻ってこない、そんなかけがえのない日々に涙して、そしてよみがえる。

これが再生というのか。


「人間は粒で出来ててその瞬間その瞬間新しいのに入れ替わってその時の自分は今しかいなくて、そういう当たり前のことを考えさせてくれて、好きなんですよ、この作品が。ただ朽ち果てていくのではなくて再生したい」
剛くんのこの言葉今を生きる言葉

コズエがまいたものはこれなんだよ。

その時の自分は今ここにしかない。と気づきをもらった、私もその1人。



草彅剛さん演じる父親は
女に目がなく、浮気までしてるだらしのないダメ親父。
そんな父親に嫌悪感を募らせながらも、やっぱり親子なんだよね。
この父親はこの人なりの愛し方で息子をちゃんと見てる。
ただ無器用なだけ。うまくそれを伝えられないの。
息子のために握った湯気のたつほかほかお握りがほんとにおいしそうだった。
光一に息子のためにお握りを握らせるなんてニクい演出だな、と感心した。

お握りは手でにぎるでしょ。そこに愛がないとおいしくならない。愛情を簡単に、直接伝えることができるもの、それがお握りだもの。

特に会話もなく、ただお握りを食べるだけ、
そして、唐突に立ち上がり、サトシの頭に手を置いて立ち去る。
あんな父親でも息子のことは誰よりも愛してるのよ、
と、ここで私たちにきちんとつたえてくれてる。


剛くんも、父と息子の思い出深いシーンは?との質問に、このお握りを食べるシーンをあげてた。

息子にはそれがどんな父親でも、
やっぱりこの世に一人しかいないお父さん。
男同士にしかわかりあえないものがあるんだと、
息子を持つ母親として、父親に叶わないものを突きつけられて悔しくもあり、羨ましくもあり、そして、とっても嬉しくなった。

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予告でのこのワンシーン
「みんな変だよ、お前も俺も」

この声とサトシを見つめる瞳の色気にときめいたけど、
映画見て、こんな流れなんだ、と、想像もしてない展開に驚き、なにやってんの?と呆れ、変態目線で萌え、父と息子っていいな、と、親子の愛に涙しました。
思春期の男の子の体と心のアンバランスさを
理解してあげられるのは父親しかいないのかも。
母親にその役割は荷が重すぎるね、そうだよね。
丸裸の構えない姿が家族のあり方を教えてくれた。



上映会に参加して数日が経ちましたが
未だに余韻が鮮明に残ってる。
コズエがまいたものがスクリーンから降り注いできて、日溜まりのような優しさと温もりに包まれたまま、余白を楽しんでます。

主役は山﨑光くん。はじめての主演作での舞台挨拶。緊張してるこれからの役者さんをしっかりとサポートして、笑いがたえない完成披露の舞台挨拶でした。
若いふたりを前に出し、子役としてではなく、一人の役者として彼らと接し、自分は一歩引いて、自虐ネタで場の雰囲気を盛り上げる。そして、私たちが知りたいエピソードも盛り込むサービス精神も忘れない。

なにより、役割草彅剛恐るべし。
ほんとに僅な出番です。
でも、彼がそこにいるだけで圧倒的な存在感。
一挙手一投足が脳裏をよみがえり、ゾクゾクしてくる。
この中毒性はなんなの。
今までだって何度も何度も経験してきた。
忘れられない草彅ワールド。だけど、今回の役は
剛くんも言ってるように、新しい新境地を切り開いてる。
妻役の須藤理彩さんも、
初めて見る草彅さんだとすごく感動して尊敬しました
と話してた。
そうなのよ、そこにいるのは単なる女好きなエロ親父。のようでいて、それだけで終わらないのが草彅剛。
さりげない仕草とか言い方とか佇まいも、私が見てきたどの役とも違う。
タバコの吸い方ひとつとってみても全く違う。
どこか弱々しい声音に色気たっぷり。私の中の女を刺激する。
一見ぶっきらぼうで投げやりのように感じてしまうが、マジマジと見つめると、そこには深い愛が隠れてる。
可愛い女の子を追いかける姿は呆れるほどのスケベ親父なんだけど、これが憎めないんだよね。心底女たらしだわ。
私のまだ見ぬ草彅剛がいたのよ。
あ、火野正平さんだ!
と、唐突に閃いた。


コズエはたくさんのものをまいて自分の星に帰って行く。
そう、まく子には、ファンタジーパラレルワールドの世界観も織り込まれてくる。
もしかして、この温泉村での出来事は朔太郎の作り出したものなの?
コズエはせっちゃんなの?
そんなことを真剣に考えた自分に大笑いしてる。
まさかね、
でも、あの朔太郎ならありえるでしょ。

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それにしてもほんとうに時間て大事で貴重。


剛「撮影のときとだいぶん違う。役作りをしてたから子供っぽく見えたのかもしれないね。りっぱな俳優だよ。身長も伸びて。俺も2センチ伸びた。40過ぎても伸びるから、諦めないで。コズエちゃんより伸びてる。原作もそうだもんね。ほんとうにあの時にしかいないサトシとコズエなんだよね。僕らも年をとってるってことですよ。僕らわかりにくいけどね。成長か、再生か。二人に会ってこの時間が映画を物語ってるんだな。と思って。」
監督「ギリギリのタイミング。アフレコしたら声変わりしてたし。今日会ったらもっと変わってて」


まく子はその瞬間を切り取った作品です。
すーと心に染み入ります。
変わっていくことはおもしろい。それが大人になることなら面白い。
朽ち果てて枯れていくだけじゃつまらない。成長は再生なんだ。
だから
信じること
変化を恐れないこと。
許すことは強いこと
明日への背中をそっとおしてくれる。

そんな作品です。

思い出して。
不安だったあのころの気持ちを。
ピュアな心を取り戻してみませんか?
今ここにしかない光をあびてみませんか?




監督:こうしてみなさんに見てもらえて感無量です。
たくさんの方の応援で最初私が思っていたよりも多い数の劇場で公開が決まっててありがとうございます。


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『まく子』草彅剛、“父親目線”で主役2人の成長を喜ぶ「凄い才能を持ってる」 « 映画ランドNEWS



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